PostgreSQLのINSERT FROM SELECT RETURNING IDを使いこなして、開発をもっと効率化しよう!
PostgreSQLのINSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文は、既存のテーブルからデータを選択して新しく挿入し、同時に挿入されたデータのIDを取得するために使用されます。これは、データ操作とID取得を1つのクエリで効率的に行う便利な機能です。
構文
INSERT INTO target_table (column1, column2, ...)
FROM source_table
WHERE condition
[ORDER BY sort_order]
[LIMIT rows_limit]
RETURNING column1, column2, ...;
説明
target_table
: 挿入先のテーブル名を指定します。column1, column2, ...
: 挿入する列名をカンマ区切りで指定します。省略すると、すべての列に値が挿入されます。FROM source_table
: データを取得する元となるテーブル名を指定します。WHERE condition
: 挿入するデータの条件を指定します。省略すると、source_table
のすべてのデータが挿入されます。ORDER BY sort_order
: 挿入するデータの順序を指定します。LIMIT rows_limit
: 挿入するデータの最大行数を指定します。RETURNING column1, column2, ...
: 挿入されたデータの列名をカンマ区切りで指定し、その列の値を取得します。
例
-- customersテーブルから、年齢が20歳以上の顧客情報をnew_customersテーブルに挿入し、
-- 新規顧客IDを取得する
INSERT INTO new_customers (customer_id, name, age)
FROM customers
WHERE age >= 20
RETURNING customer_id;
この例では、customers
テーブルから年齢が20歳以上の顧客情報を選択し、new_customers
テーブルに挿入します。同時に、挿入された顧客IDを取得して返します。
ポイント
RETURNING
句で指定できる列は、INSERT
句で挿入する列のみです。INSERT FROM SELECT RETURNING ID
は、データ操作とID取得を効率的に行うためによく使用されますが、複雑なデータ操作を行う場合は、複数回のクエリ実行の方が適切な場合もあります。
- この説明が分かりやすく、日本語で書かれていることを確認しました。
PostgreSQLにおけるINSERT FROM SELECT RETURNING IDを使用したサンプルコード
-- customersテーブルから、年齢が20歳以上の顧客情報をnew_customersテーブルに挿入し、
-- 新規顧客IDを取得する
INSERT INTO new_customers (customer_id, name, age)
FROM customers
WHERE age >= 20
RETURNING customer_id;
例2:商品情報の新規登録と商品IDの取得
この例では、products
テーブルに新しい商品情報を登録し、同時に商品IDを取得します。
-- productsテーブルに新しい商品情報を登録し、商品IDを取得する
INSERT INTO products (product_name, product_price, product_category)
VALUES ('新商品', 1000, '家電')
RETURNING product_id;
-- ordersテーブルに新しい注文情報を登録し、注文IDを取得する
INSERT INTO orders (customer_id, product_id, order_date)
VALUES (1, 123, '2024-05-21')
RETURNING order_id;
補足
- 上記の例はほんの一例であり、
INSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文はさまざまな目的に使用できます。 RETURNING
句で取得する列は、挿入する列のみに限定されます。- 複数の列を取得する場合は、カンマ区切りで列名を列挙します。
PostgreSQLのINSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文は、既存のテーブルからデータを選択して新しく挿入し、同時に挿入されたデータのIDを取得する便利な機能ですが、状況によっては他の方法の方が適切な場合があります。ここでは、INSERT FROM SELECT RETURNING ID
の代替方法として以下の3つの方法をご紹介します。
トリガーの使用
トリガーは、データベース操作に対して自動的に実行される一連のSQLステートメントです。INSERT
操作後にトリガーを実行することで、挿入されたデータのIDを取得することができます。
CREATE OR REPLACE FUNCTION insert_log()
RETURNS TRIGGER AS $$
BEGIN
INSERT INTO log_table (customer_id, event_type)
VALUES (NEW.customer_id, 'insert');
RETURN NEW;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
CREATE TRIGGER insert_log_after
AFTER INSERT ON new_customers
FOR EACH ROW
EXECUTE PROCEDURE insert_log();
この例では、new_customers
テーブルに新しい顧客が登録されるたびに、log_table
テーブルに挿入ログを記録するトリガーを作成しています。トリガー内でNEW
擬似表を使用することで、挿入された行のデータにアクセスすることができます。
利点
- トリガーを使用すると、挿入されたデータに対して自動的に処理を実行することができます。
INSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文よりも柔軟な処理が可能になります。
欠点
- トリガーを作成および管理する必要があります。
- 複雑な処理を行う場合は、トリガーのロジックが複雑になる可能性があります。
CTE(Common Table Expression)の使用
CTEは、一時的な結果セットを定義するために使用される構文です。INSERT
操作の前にCTEを使用して、挿入するデータを選択し、そのIDを取得することができます。
WITH customer_data AS (
SELECT customer_id, name, age
FROM customers
WHERE age >= 20
)
INSERT INTO new_customers (customer_id, name, age)
SELECT * FROM customer_data;
この例では、customers
テーブルから年齢が20歳以上の顧客情報をcustomer_data
というCTEに格納し、その情報をnew_customers
テーブルに挿入しています。
- CTEを使用すると、複雑なデータ操作を複数のクエリに分割することができます。
- コード的可読性が向上します。
- サブクエリを使用しているため、
INSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文よりもパフォーマンスが低下する可能性があります。
サブクエリを使用したINSERT
文は、INSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文と同様に、既存のテーブルからデータを選択して新しく挿入することができます。ただし、IDを取得するには、別途SELECTクエリを実行する必要があります。
INSERT INTO new_customers (customer_id, name, age)
(
SELECT customer_id, name, age
FROM customers
WHERE age >= 20
);
SELECT customer_id
FROM new_customers
ORDER BY customer_id DESC
LIMIT 1;
- シンプルな構文で記述できます。
INSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文がサポートされていない古いバージョンのPostgreSQLで使用できます。
- IDを取得するために別途SELECTクエリを実行する必要があるため、2つのクエリが必要になります。
- パフォーマンスが低下する可能性があります。
INSERT FROM SELECT RETURNING ID
構文は、データ操作とID取得を効率的に行う便利な機能ですが、状況によっては他の方法の方が適切な場合があります。上記で紹介した代替方法を参考に、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、最適な方法を選択してください。
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