MVCC、オプティミスティックロック、ロックなしスナップショット - PostgreSQLにおけるロックの選択肢

2024-06-14

PostgreSQLにはNOLOCKヒントの直接的な同等項はありません。しかし、同様の効果を得るために使用できる代替手段がいくつかあります。

リードコミットされていないトランザクションを使用する

PostgreSQLでは、トランザクションのコミット前に読み取り操作を実行できるように、READ UNCOMMITTEDトランザクション分離レベルを使用できます。これは、NOLOCKヒントと同様に、ロックを取得せずに読み取り操作を実行できるようにします。

SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ UNCOMMITTED;

-- 読み取り操作を実行する

SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL REPEATABLE READ;

SKIP LOCKEDオプションを使用する

SELECTステートメントでSKIP LOCKEDオプションを使用すると、ロックされている行を読み飛ばすことができます。これは、読み取り操作がブロックされるのを防ぐのに役立ちますが、データの整合性が損なわれる可能性があることに注意する必要があります。

SELECT *
FROM your_table
SKIP LOCKED;

WITH(NOLOCK)ヒントを使用する

PostgreSQL拡張であるPostgreSQL 10以降では、WITH(NOLOCK)ヒントを使用して、テーブルに対するロックを取得しない読み取り操作を指定することができます。これは、SQL ServerのNOLOCKヒントとほぼ同等の機能を提供します。

SELECT *
FROM your_table
WITH (NOLOCK);

注意事項

上記の代替手段を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • READ UNCOMMITTEDトランザクション分離レベルを使用すると、コミットされていないデータを読み取ってしまう可能性があります。
  • SKIP LOCKEDオプションを使用すると、データの整合性が損なわれる可能性があります。
  • WITH(NOLOCK)ヒントは、PostgreSQL 10以降でのみ使用できます。

どの代替手段を使用するか

使用する代替手段は、特定の状況によって異なります。読み取り操作がブロックされる可能性が低い場合は、READ UNCOMMITTEDトランザクション分離レベルを使用するのが最善です。データの整合性が重要である場合は、WITH(NOLOCK)ヒントを使用するのが最善です。SKIP LOCKEDオプションは、最後の手段としてのみ使用してください。

    PostgreSQLにはSQL ServerのNOLOCKヒントの直接的な同等項はありませんが、代わりに使用できる代替手段がいくつかあります。どの代替手段を使用するかによって、パフォーマンスとデータ整合性のトレードオフが異なります。




    PostgreSQLにおけるNoLockヒントの代替手段 - サンプルコード

    例1: READ UNCOMMITTEDトランザクション分離レベルを使用する

    -- トランザクション分離レベルをREAD UNCOMMITTEDに設定
    SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ UNCOMMITTED;
    
    -- 読み取り操作を実行
    SELECT * FROM your_table;
    
    -- トランザクション分離レベルをデフォルトに戻す
    SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL REPEATABLE READ;
    
    SELECT *
    FROM your_table
    SKIP LOCKED;
    
    -- PostgreSQL 10以降の場合
    SELECT *
    FROM your_table
    WITH (NOLOCK);
    

    説明

    • 上記の例では、your_tableというテーブルを使用しています。
    • SKIP LOCKEDオプションを使用すると、ロックされている行を読み飛ばすことができます。

    その他の注意事項

    • サンプルコードはあくまで一例であり、状況に応じて適宜変更する必要があります。
    • 複雑なトランザクションを実行する場合は、ロックに関する詳細な知識が必要となります。
    • データベースのパフォーマンスと整合性を最適化するには、適切なロック戦略を検討することが重要です。



    PostgreSQLにおけるNoLockヒントの代替手段 - その他の方法

    MVCCを使用する

    PostgreSQLはマルチバージョンコンカレンシーコントロール(MVCC)という機能を提供しており、トランザクション間で読み取り操作を分離することができます。MVCCを使用すると、ロックを取得せずに読み取り操作を実行することができ、NOLOCKヒントと同様の効果を得ることができます。

    オプティミスティックロックは、レコードのバージョン番号を使用して競合を検出するロック戦略です。読み取り操作を実行する前にレコードのバージョン番号を取得し、更新操作を実行する前に再度取得します。バージョン番号が一致しない場合は、別のトランザクションによってレコードが更新されたことが検出され、競合が発生したことがわかります。

    ロックなしの読み取り専用スナップショットを使用する

    PostgreSQL 12以降では、ロックなしの読み取り専用スナップショットを使用して、特定の時点におけるデータベースの読み取り専用ビューを取得することができます。これは、特定の時点におけるデータの整合性のある読み取り操作を実行する必要がある場合に役立ちます。

    使用する方法は、特定の状況によって異なります。MVCCは、読み取り操作と書き込み操作が混在するワークロードに適しています。オプティミスティックロックは、競合がまれなワークロードに適しています。ロックなしの読み取り専用スナップショットは、特定の時点におけるデータの整合性のある読み取り操作が必要な場合に適しています。

    その他の注意事項

    • 上記の方法を使用する際には、それぞれの方法の制約事項を理解する必要があります。

    これらの代替手段と、それぞれの長所と短所を理解することで、PostgreSQLにおけるNoLockヒントの適切な代替手段を選択することができます。


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