SQLで重複行を削除し、最初の行を保持するコードの解説
SQLで重複行を削除する方法 (最初の行を保持)
日本語:
SQLで重複行を削除し、最初の行のみを残す方法について説明します。これは、データのクレンジングや重複情報の排除に役立ちます。
SQL Server 2008での具体的な例:
WITH CTE AS (
SELECT *, ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY Column1, Column2, ... ORDER BY Column1) AS RowNum
FROM YourTable
)
DELETE FROM CTE WHERE RowNum > 1;
解説:
Common Table Expression (CTE):
CTE
という名前のCTEを作成します。SELECT *
ですべての列を選択します。ROW_NUMBER()
関数を使用して、重複する行を識別します。PARTITION BY Column1, Column2, ...
で、重複を判定するキーとなる列を指定します。ORDER BY Column1
で、重複する行の中で最初の行を特定します。
DELETE:
注意:
Column1
,Column2
, ...は、重複を判定するキーとなる列を置き換えてください。- このクエリを実行すると、実際にデータが削除されます。誤って実行しないように注意してください。
- 削除する前に、バックアップを作成することをお勧めします。
- 複数の列に基づいて重複を判定する場合は、
PARTITION BY
句で複数の列を指定します。 - 削除する前に、重複する行の数を確認するために、
SELECT COUNT(*) FROM CTE WHERE RowNum > 1
を実行することもできます。
SQLで重複行を削除し、最初の行を保持するコードの解説
コードの目的
このSQLコードは、データベース内のテーブルから重複する行を削除し、各重複グループの最初の行のみを残すことを目的としています。
コードの仕組み
WITH CTE AS (
SELECT *, ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY Column1, Column2, ... ORDER BY Column1) AS RowNum
FROM YourTable
)
DELETE FROM CTE WHERE RowNum > 1;
CTE
という名前の一時的な結果セットを作成します。
各部分の解説
WITH CTE AS (...)
:ROW_NUMBER() OVER (...)
:ROW_NUMBER()
関数は、パーティション内で各行に連番を振ります。PARTITION BY
句で、パーティションを分割する基準となる列を指定します。ORDER BY
句で、パーティション内の行の並び順を指定します。
DELETE FROM CTE
:- CTEで定義された結果セットから行を削除します。
実行例
例えば、Customers
というテーブルがあり、CustomerID
とCustomerName
という2つの列があるとします。このテーブルに、同じ顧客名が複数回登録されている場合、以下のコードを実行することで、各顧客名で最初の登録のみが残ります。
WITH CTE AS (
SELECT *, ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY CustomerName ORDER BY CustomerID) AS RowNum
FROM Customers
)
DELETE FROM CTE WHERE RowNum > 1;
このコードでは、CustomerName
が同じ行が一つのグループとして扱われ、CustomerID
の昇順でソートされます。そして、各グループの最初の行(つまり、最も古い顧客IDを持つ行)のみが残ります。
注意点
- 削除前に必ずバックアップ: このクエリを実行すると、データが実際に削除されます。誤って実行しないよう、必ず事前にバックアップを取ってください。
- 重複の定義: 重複の判断基準となる列を適切に指定してください。複数の列で重複を判断したい場合は、
PARTITION BY
句に複数の列を指定します。 - パフォーマンス: 大量のデータを扱う場合は、インデックスを作成することでクエリのパフォーマンスを向上させることができます。
一時テーブルを使った方法
-- 一時テーブルを作成
CREATE TABLE #TempTable AS
SELECT *, ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY Column1, Column2, ... ORDER BY Column1) AS RowNum
FROM YourTable;
-- 重複行を削除
DELETE FROM YourTable
WHERE EXISTS (
SELECT * FROM #TempTable T
WHERE YourTable.Column1 = T.Column1
AND YourTable.Column2 = T.Column2
AND ...
AND T.RowNum > 1
);
-- 一時テーブルを削除
DROP TABLE #TempTable;
- 特徴: CTEと同様、ROW_NUMBER()を使って重複を判定し、一時テーブルに結果を格納します。その後、元のテーブルから一時テーブルの結果と比較して重複行を削除します。
- メリット: CTEよりも可読性が高いと感じる人もいるかもしれません。
- デメリット: 一時テーブルの作成と削除のオーバーヘッドがかかります。
自己結合を使った方法
DELETE T1
FROM YourTable T1
INNER JOIN YourTable T2 ON
T1.Column1 = T2.Column1
AND T1.Column2 = T2.Column2
AND ...
WHERE T1.ID > T2.ID; -- IDは主キーなど、一意な値を持つカラム
- 特徴: テーブル自身と結合し、同じ値を持つ行を比較します。IDが小さい方を残し、大きい方を削除します。
- メリット: 一時テーブルを作成する必要がないため、シンプルです。
- デメリット: 自己結合はパフォーマンスが低下する場合があります。特に、データ量が多い場合に注意が必要です。
外部キー制約を利用する方法
- 前提: 削除したいテーブルに、一意な値を持つカラム(主キー)と、別のテーブルを参照する外部キーが存在する場合。
DELETE FROM ChildTable
WHERE ChildTable.ForeignKey IN (
SELECT ForeignKey
FROM ChildTable
GROUP BY ForeignKey
HAVING COUNT(*) > 1
);
- 特徴: 外部キー制約を利用することで、親テーブルの整合性を保ちながら子テーブルの重複行を削除できます。
- メリット: データベースの整合性を維持できます。
- デメリット: 外部キー制約が設定されていることが前提となります。
プログラミング言語からSQLを実行する方法
- 特徴: SQLだけでなく、Python、C#などのプログラミング言語を使って、より柔軟な処理を行うことができます。例えば、複数のテーブルを結合したり、複雑な条件で重複を判定したりできます。
- メリット: SQLだけでは難しい処理も実現できます。
- デメリット: プログラミング言語の知識が必要になります。
どの方法を選ぶべきか?
- データ量: データ量が少ない場合は、どの方法でも大きな違いはありません。
- パフォーマンス: パフォーマンスが重要な場合は、インデックスを作成したり、実行計画を確認したりする必要があります。
- 複雑さ: 重複の判定条件が複雑な場合は、プログラミング言語からSQLを実行する方法が適している場合があります。
- データベースの種類: データベースの種類によって、サポートされている機能やパフォーマンスが異なります。
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