AFTERトリガーと@@ROWCOUNTで影響を受けた行数を取得する
SQL Serverで条件を満たす場合のみ実行されるトリガー
条件付きトリガーの作成
トリガーを作成する際、特定の条件が満たされた場合のみ実行されるように設定できます。これは、WHERE
句を使用して条件を指定することで実現できます。
例:
CREATE TRIGGER trg_UpdateCustomer
ON Customers
AFTER UPDATE
AS
BEGIN
IF UPDATE(FirstName)
AND FirstName = 'John'
BEGIN
-- 特定の条件が満たされた場合のみ実行される処理
UPDATE Orders
SET OrderStatus = 'Shipped'
WHERE CustomerID = (SELECT CustomerID FROM Customers WHERE FirstName = 'John');
END;
END;
上記の例では、Customers
テーブルの FirstName
列が 'John' に更新された場合のみ、Orders
テーブルの OrderStatus
列を 'Shipped' に更新するトリガーを作成しています。
条件付きトリガーを使用することで、以下の利点を得られます。
- 処理の効率化: 特定の条件が満たされた場合のみ処理を実行することで、不要な処理を削減し、パフォーマンスを向上させることができます。
- データの整合性: 特定の条件に基づいて処理を実行することで、データの整合性を保つことができます。
- コードの簡潔化: 複雑なロジックをトリガー内に記述することで、コードを簡潔化できます。
条件付きトリガーは、さまざまな状況で使用できます。以下は、その使用例です。
- 特定の値が更新された場合のみ、別のテーブルのデータを更新する。
- 特定の条件に基づいて、ユーザーにメッセージを表示する。
- 監査ログに情報を記録する。
条件付きトリガーは、SQL Serverで複雑なビジネスロジックを実装するための強力なツールです。条件を指定することで、処理を効率化し、データの整合性を保ち、コードを簡潔化することができます。
補足
- トリガーには、他にもさまざまな種類があります。詳細は、SQL Serverのドキュメントを参照してください。
- 条件付きトリガーを作成する際には、パフォーマンスへの影響を考慮する必要があります。
- トリガーは、データベースの重要な機能です。誤ったトリガーを作成すると、データ損失などの問題が発生する可能性がありますので、注意が必要です。
CREATE TRIGGER trg_UpdateCustomer
ON Customers
AFTER UPDATE
AS
BEGIN
IF UPDATE(FirstName)
AND FirstName = 'John'
BEGIN
-- 特定の条件が満たされた場合のみ実行される処理
UPDATE Orders
SET OrderStatus = 'Shipped'
WHERE CustomerID = (SELECT CustomerID FROM Customers WHERE FirstName = 'John');
END;
END;
解説
CREATE TRIGGER
ステートメント: トリガーを作成します。trg_UpdateCustomer
: トリガーの名前です。ON Customers
: トリガーが適用されるテーブルです。AFTER UPDATE
: トリガーが実行されるタイミングです。AS
: トリガーの処理を記述します。IF UPDATE(FirstName)
:FirstName
列が更新された場合のみ処理を実行します。AND FirstName = 'John'
:FirstName
列の値が 'John' の場合のみ処理を実行します。UPDATE Orders
:Orders
テーブルを更新します。SET OrderStatus = 'Shipped'
:OrderStatus
列を 'Shipped' に更新します。WHERE CustomerID = (SELECT CustomerID FROM Customers WHERE FirstName = 'John')
:Customers
テーブルのFirstName
列が 'John' であるレコードのCustomerID
を取得して、Orders
テーブルの更新条件に指定します。
実行方法
- 上記のコードを SQL Server Management Studio (SSMS) などのツールで実行します。
Customers
テーブルにFirstName
列が 'John' であるレコードを挿入します。Orders
テーブルを確認すると、OrderStatus
列が 'Shipped' に更新されていることを確認できます。
注意事項
- 上記のコードはサンプルです。実際の環境に合わせて変更する必要があります。
- トリガーを作成する前に、データベースのバックアップを取ることをお勧めします。
条件付きトリガーを作成する他の方法
INSTEAD OF
トリガーは、DML ステートメントの実行を置き換えるトリガーです。WHERE
句を使用して条件を指定し、条件が満たされた場合のみ、独自の処理を実行できます。
CREATE TRIGGER trg_UpdateCustomer
INSTEAD OF UPDATE
ON Customers
AS
BEGIN
IF FirstName = 'John'
BEGIN
-- 特定の条件が満たされた場合のみ実行される処理
UPDATE Orders
SET OrderStatus = 'Shipped'
WHERE CustomerID = (SELECT CustomerID FROM Customers WHERE FirstName = 'John');
END;
ELSE
BEGIN
-- 特定の条件が満たされない場合の実行処理
END;
END;
INSTEAD OF
: トリガーがDML ステートメントの実行を置き換えることを指定します。UPDATE
: トリガーが適用されるDML ステートメントです。ELSE
:IF
ステートメントの条件が満たされない場合の実行処理を記述します。
AFTER トリガーと @@ROWCOUNT
AFTER
トリガーは、DML ステートメントの実行後に実行されるトリガーです。@@ROWCOUNT
システム変数を使用して、影響を受けた行数を取得できます。
CREATE TRIGGER trg_UpdateCustomer
AFTER UPDATE
ON Customers
AS
BEGIN
IF @@ROWCOUNT > 0
BEGIN
-- 特定の条件が満たされた場合のみ実行される処理
UPDATE Orders
SET OrderStatus = 'Shipped'
WHERE CustomerID = (SELECT CustomerID FROM Customers WHERE FirstName = 'John');
END;
END;
@@ROWCOUNT
: DML ステートメントによって影響を受けた行数を取得します。
CHECK CONSTRAINT
は、テーブル列の値に制約を設けることができます。条件に合致しない値が挿入または更新された場合、エラーが発生します。
ALTER TABLE Customers
ADD CONSTRAINT chk_FirstName CHECK (FirstName <> 'John');
ALTER TABLE
: 制約を追加するテーブルを指定します。ADD CONSTRAINT
: 制約の名前と種類を指定します。CHECK
: 制約の種類をCHECK
と指定します。FirstName <> 'John'
: 制約条件を指定します。
- 複雑な処理を実行する場合は、
INSTEAD OF
トリガーを使用するのが適切です。 - 影響を受けた行数に基づいて処理を実行する場合は、
AFTER
トリガーと@@ROWCOUNT
を使用するのが適切です。 - 単純な制約を設ける場合は、
CHECK CONSTRAINT
を使用するのが適切です。
SQL Serverで条件付きトリガーを作成するには、WHERE
句、INSTEAD OF
トリガー、AFTER
トリガーと @@ROWCOUNT
、CHECK CONSTRAINT
などの方法があります。どの方法を選択するべきかは、要件によって異なります。
sql-server triggers