SolarWinds Database Performance Monitor

2024-05-09

PostgreSQLにおいて、クエリ実行時間はパフォーマンスを評価する重要な指標の一つです。実行時間が長いクエリは、データベースへの負荷を増加させ、アプリケーションのレスポンスを低下させる可能性があります。

ここでは、PostgreSQLでクエリ実行時間を計測および分析するための3つの主要な方法について説明します。

EXPLAIN

EXPLAINコマンドは、クエリの実行計画を表示します。実行計画には、クエリがどのように解析され、実行されるかが示されており、潜在的なパフォーマンスボトルネックを特定するのに役立ちます。

EXPLAIN [OPTION ...] SELECT * FROM mytable;

オプション:

  • ANALYZE: 実際のデータを使用してクエリの実行計画を分析します。
  • BUFFERS: クエリの実行に必要なバッファの数を表示します。
  • COSTS: クエリの実行にかかる推定コストを表示します。
  • FORMAT: 出力形式をテキスト、YAML、JSONなどのいずれかに設定します。

例:

EXPLAIN ANALYZE SELECT * FROM mytable WHERE id = 100;

pg_stat_statements拡張モジュール

pg_stat_statements拡張モジュールは、実行されたすべてのSQL文に関する統計情報を収集します。この情報には、クエリの実行時間、実行回数、および影響を受けた行数などが含まれます。

使用方法:

  1. pg_stat_statements拡張モジュールをインストールします。
  2. postgresql.confファイルで以下の設定を有効にします。
pg_stat_statements = true
track_function_calls = true
  1. PostgreSQLサーバーを再起動します。

統計情報の取得:

SELECT * FROM pg_stat_statements;
SELECT query, total_time, calls FROM pg_stat_statements
ORDER BY total_time DESC
LIMIT 10;

pgBadger

pgBadgerは、PostgreSQLのパフォーマンスデータを収集して分析するサードパーティ製のツールです。pg_stat_statements拡張モジュールよりも詳細な情報を提供し、スロークエリを特定し、パフォーマンスボトルネックを診断するのに役立ちます。

  1. pgBadgerをインストールします。
  2. pgBadgerの設定ファイルを構成します。

これらの方法に加えて、PostgreSQLの公式ドキュメントには、クエリのパフォーマンスを向上させるための追加のヒントとテクニックが記載されています。

PostgreSQLでクエリ実行時間を計測および分析することは、データベースのパフォーマンスを最適化するために不可欠です。上記の方法は、潜在的なパフォーマンスボトルネックを特定し、クエリのパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。




PostgreSQLにおけるクエリ実行時間の計測と分析 - サンプルコード

このセクションでは、前述の概念を説明するために、PostgreSQLでクエリ実行時間を計測および分析するためのサンプルコードを示します。

EXPLAINを使用したクエリ実行計画の分析

EXPLAIN ANALYZE SELECT * FROM customers
WHERE city = 'San Francisco' AND order_date > '2023-01-01';

このクエリは、customersテーブルから、2023年1月1日以降にサンフランシスコで注文されたすべての顧客データを取得します。EXPLAIN ANALYZEオプションを使用すると、クエリの実行計画と実際のクエリ実行にかかった時間が表示されます。

出力結果は以下のようになります。

QUERY PLAN                                                                                                                                                                                                |   ROWS | COST | BUFFER | TIME
═══════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════ | -------- | -------- | -------- | --------
Bitmap Heap Scan on customers (index idx_customers_city_order_date)                                                                                                                            | 1000 | 100.00 | 200kB | 100.00 ms
└───────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────── |       |       |       |       |
   Index Scan on idx_customers_city_order_date (city, order_date)                                                                                                                      | 1000 |   10.00 |  20kB |   10.00 ms
         └────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────── |       |       |       |       |
           Scan on customers                                                                                                                                                           | 1000 |   0.27 |   2kB |   0.27 ms

この結果から、クエリの実行計画はBitmap Heap Scanであり、これはすべての顧客レコードをスキャンしてから、条件に一致するレコードのみを抽出することを意味します。これは、インデックスを使用するよりも時間がかかる可能性があります。

改善策:

上記のクエリのパフォーマンスを向上させるために、customersテーブルに cityorder_date カラムの複合インデックスを作成することができます。

CREATE INDEX idx_customers_city_order_date ON customers (city, order_date);

pg_stat_statements拡張モジュールを使用したクエリ実行統計情報の収集

SELECT * FROM pg_stat_statements
ORDER BY total_time DESC
LIMIT 10;

このクエリは、pg_stat_statementsビューから実行されたすべてのSQL文に関する統計情報を取得します。結果は、実行時間、実行回数、影響を受けた行数などの情報を含むテーブル形式で表示されます。

query                                                                                                                                                                                                         | calls | total_time | rows | avg_time |
══════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════════ | -------- | -------- | -------- | -------- |
SELECT * FROM orders WHERE order_status = 'shipped'                                                                                                                                                           | 100 |   100.00 ms | 1000 |   1.00 ms |
SELECT * FROM customers WHERE city = 'San Francisco'                                                                                                                                                         | 50  |    50.00 ms |  500 |   1.00 ms |
...

この結果から、SELECT * FROM orders WHERE order_status = 'shipped'クエリが最も時間がかかっていることがわかります。このクエリのパフォーマンスを分析するために、EXPLAINコマンドを使用することができます。

pgBadgerを使用した詳細なパフォーマンス分析

pgBadgerの使用方法は、公式ドキュメントを参照してください: https://github.com/darold/pgbadger

これらのサンプルコードは、PostgreSQLでクエリ実行時間を計測および分析するための基本的な方法を示しています。より複雑な分析については、PostgreSQLの公式ドキュメントおよびpgBadgerなどのツールを参照してください。




PostgreSQLにおけるクエリ実行時間の計測と分析には、上述の3つの主要な方法に加えて、以下のような方法があります。

コードレビュー

  • 非効率的なクエリや、アンチパターンなどのコードの問題を特定するために、コードレビューを実施します。
  • コードレビューは、パフォーマンスの問題を特定するのに役立つ効果的な方法ですが、時間がかかる場合があることに注意してください。

データベース設計

  • データベース設計を最適化することで、クエリのパフォーマンスを向上させることができます。
  • 例えば、適切なインデックスを作成したり、テーブルをパーティショニングしたりすることで、クエリのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。

ハードウェアのアップグレード

  • 場合によっては、ハードウェアをアップグレードすることで、データベースのパフォーマンスを向上させることができます。
  • CPU、RAM、ストレージなどのハードウェアコンポーネントをアップグレードすると、クエリのパフォーマンスが大幅に向上することがあります。

これらの方法は、それぞれ異なる長所と短所を持っています。最適な方法は、個々のニーズと要件によって異なります。


postgresql


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