SQLで「greatest-n-per-group」を実現!各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を効率的に選択する方法

2024-07-27

SQLで各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択する方法

SQLで、テーブル内の各キー値ごとに最新のタイムスタンプを持つ行を選択する方法について、2つの方法を詳しく解説します。

この処理は、分析データ可視化など様々な場面で役立ちます。例えば、顧客ごとの最新の注文情報や、商品ごとの最新の在庫状況を取得するといった用途に活用できます。

方法1:サブクエリを使った方法

この方法は、副照会を利用して各キー値の最新のタイムスタンプを取得し、それを外側のクエリで結合することで実現します。

手順

  1. 外側のクエリ:
    • 必要な列をすべて選択します。
    • FROM句で対象テーブルを指定します。
  2. 副照会:
    • 対象テーブルと同じテーブルを内部クエリとして使用します。
    • WHERE句で、キー値列と一致する行を選択します。
    • SELECT句で、タイムスタンプ列とキー値列を選択します。
    • ORDER BY句で、タイムスタンプ列を降順にソートします。
    • LIMIT 1句で、各キー値グループの1行のみを選択します。
  3. 外側クエリと副照会を結合:

-- テーブル構造
CREATE TABLE example_table (
  id INT PRIMARY KEY,
  key_value VARCHAR(255),
  timestamp TIMESTAMP
);

-- データ挿入
INSERT INTO example_table (id, key_value, timestamp) VALUES
  (1, 'A', '2024-06-20 10:00:00'),
  (2, 'A', '2024-06-19 18:00:00'),
  (3, 'B', '2024-06-20 12:00:00'),
  (4, 'B', '2024-06-20 11:00:00'),
  (5, 'C', '2024-06-20 09:00:00');

-- 各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択
SELECT et.id, et.key_value, et.timestamp
FROM example_table et
WHERE et.timestamp = (
  SELECT MAX(e2.timestamp)
  FROM example_table e2
  WHERE e2.key_value = et.key_value
);

結果

id | key_value | timestamp
---+-----------+------------
1  | A         | 2024-06-20 10:00:00
3  | B         | 2024-06-20 12:00:00
5  | C         | 2024-06-20 09:00:00

方法2:ウィンドウ関数を使った方法

この方法は、ROW_NUMBERFIRST_VALUEなどのウィンドウ関数を利用して、各キー値グループ内の行を効率的に処理する方法です。

  1. キー値列でウィンドウを定義:
  2. 行番号を割り当てる:
    • ROW_NUMBER()関数を使用して、各行に行番号を割り当てます。
    • ORDER BY句で、行番号を割り当てる基準となる列を指定します。
  3. 最新の行のみを選択:
-- 各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択
SELECT id, key_value, timestamp
FROM example_table
WHERE row_number() OVER (PARTITION BY key_value ORDER BY timestamp DESC) = 1;
id | key_value | timestamp
---+-----------+------------
1  | A         | 2024-06-20 10:00:00
3  | B         | 2024-06-20 12:00:00
5  | C         | 2024



-- テーブル構造
CREATE TABLE example_table (
  id INT PRIMARY KEY,
  key_value VARCHAR(255),
  timestamp TIMESTAMP
);

-- データ挿入
INSERT INTO example_table (id, key_value, timestamp) VALUES
  (1, 'A', '2024-06-20 10:00:00'),
  (2, 'A', '2024-06-19 18:00:00'),
  (3, 'B', '2024-06-20 12:00:00'),
  (4, 'B', '2024-06-20 11:00:00'),
  (5, 'C', '2024-06-20 09:00:00');

-- 各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択
SELECT et.id, et.key_value, et.timestamp
FROM example_table et
WHERE et.timestamp = (
  SELECT MAX(e2.timestamp)
  FROM example_table e2
  WHERE e2.key_value = et.key_value
);
  1. 最初の CREATE TABLE ステートメントは、example_table という名前のテーブルを作成します。このテーブルには、idkey_valuetimestamp の3つの列があります。
    • id 列はプライマリキーとして定義されています。
    • key_value 列は文字列型です。
    • timestamp 列はタイムスタンプ型です。
  2. 2番目の INSERT ステートメントは、example_table テーブルに5行のデータを追加します。
    • 各行には、key_valuetimestamp の値が含まれています。
  3. 3番目のステートメントは、各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択します。
    • 外側の SELECT ステートメントは、example_table テーブルから必要な列を選択します。
    • WHERE 句は、timestamp 列が副クエリの結果と一致する行のみを選択します。
    • 副照会は、各キー値グループの最大の timestamp 値を計算します。
      • SELECT 句は、key_value 列と timestamp 列を選択します。
      • WHERE 句は、key_value 列が外側のクエリの key_value 列と一致する行を選択します。
      • ORDER BY 句は、timestamp 列を降順にソートします。
id | key_value | timestamp
---+-----------+------------
1  | A         | 2024-06-20 10:00:00
3  | B         | 2024-06-20 12:00:00
5  | C         | 2024-06-20 09:00:00

このコードは、各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を効率的に取得する方法を示しています。

-- テーブル構造
CREATE TABLE example_table (
  id INT PRIMARY KEY,
  key_value VARCHAR(255),
  timestamp TIMESTAMP
);

-- データ挿入
INSERT INTO example_table (id, key_value, timestamp) VALUES
  (1, 'A', '2024-06-20 10:00:00'),
  (2, 'A', '2024-06-19 18:00:00'),
  (3, 'B', '2024-06-20 12:00:00'),
  (4, 'B', '2024-06-20 11:00:00'),
  (5, 'C', '2024-06-20 09:00:00');

-- 各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択
SELECT id, key_value, timestamp
FROM example_table
WHERE row_number() OVER (PARTITION BY key_value ORDER BY timestamp DESC) = 1;



この方法は、複雑な副クエリをCTEとして定義することで、可読性とメンテナンス性を向上させることができます。

  1. CTEで最新のタイムスタンプを定義:
    • WITH 句を使用して、CTEを定義します。
    • CTE内では、各キー値グループの最新のタイムスタンプをサブクエリで求めます。
  2. CTEを使って最新行を選択:
    • 外側のクエリで、CTEを参照し、key_value と一致する行を選択します。
    • JOIN 句を使用して、CTEとテーブルを結合することもできます。
-- 各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択
WITH latest_timestamp AS (
  SELECT key_value, MAX(timestamp) AS latest_timestamp
  FROM example_table
  GROUP BY key_value
)
SELECT et.id, et.key_value, et.timestamp
FROM example_table et
JOIN latest_timestamp lt ON et.key_value = lt.key_value AND et.timestamp = lt.latest_timestamp;

方法4:RANK()関数を使った方法

この方法は、**RANK()**関数を使用して、各キー値グループ内の行に順位を付け、最新の行のみを選択します。

-- 各キー値の最新のタイムスタンプを持つ行を選択
SELECT id, key_value, timestamp
FROM example_table
WHERE RANK() OVER (PARTITION BY key_value ORDER BY timestamp DESC) = 1;

方法の選択

今回紹介した4つの方法は、それぞれ異なる長所と短所があります。

  • 方法1: シンプルでわかりやすいですが、副クエリが複雑になる可能性があります。
  • 方法2: method 1よりも効率的で、可読性も高いですが、ウィンドウ関数がサポートされていないデータベースでは使用できません。
  • 方法3: 複雑な副クエリをCTEにカプセル化することで、可読性とメンテナンス性を向上させることができますが、構文が少し複雑になります。

状況に合わせて、最適な方法を選択してください。

  • ここで紹介した方法は、あくまでも基本的な例です。実際のクエリは、テーブルの構造やデータの種類に合わせて調整する必要があります。
  • 性能が重要な場合は、適切なインデックスを作成することを検討してください。

sql greatest-n-per-group



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