PostgreSQLにおける「public」スキーマ：概要と重要性
PostgreSQL における全てのデータベースには必ず "public" スキーマが存在します。これは、データベース内のオブジェクトを整理し、アクセス権を制御するための重要な仕組みです。このチュートリアルでは、"public" スキーマの役割、重要性、そして利点について詳しく解説します。
"public" スキーマは、データベース内に最初から用意されているデフォルトのスキーマです。特別な設定を行わなくても、全てのデータベースに自動的に作成されます。このスキーマは、データベース内のオブジェクトを格納するための仮想的なコンテナのような役割を果たします。
"public" スキーマは、PostgreSQL の基本的な機能にとって不可欠な存在です。その重要性を以下に示します。
- デフォルトのスキーマ: 新規にオブジェクトを作成する場合、スキーマを明示的に指定しない限り、"public" スキーマに作成されます。これは、特に初心者の場合、オブジェクトを整理しやすくするのに役立ちます。
- システムオブジェクトの格納: PostgreSQL のシステムテーブルや組み込み関数などは、"public" スキーマに格納されています。これらのオブジェクトは、データベースの動作に不可欠なため、"public" スキーマにアクセスできるようにする必要があります。
- 互換性の確保: 多くの PostgreSQL ツールやアプリケーションは、"public" スキーマにあるオブジェクトを前提として動作します。そのため、"public" スキーマを削除したり、名前を変更したりすると、これらのツールやアプリケーションが正しく動作しなくなる可能性があります。
"public" スキーマを使用する利点は次のとおりです。
- オブジェクトの整理: スキーマを使用することで、データベース内のオブジェクトを論理的にグループ化し、整理することができます。これは、特に大規模なデータベースの場合に重要です。
- アクセス権の制御: スキーマごとにアクセス権を設定することで、特定のユーザーやグループに対してのみオブジェクトへのアクセスを許可することができます。これは、データベースのセキュリティを強化するのに役立ちます。
- 名前空間の衝突回避: 異なるスキーマに同じ名前のオブジェクトを作成することで、名前空間の衝突を回避することができます。これは、特に複数の開発者が同じデータベースにアクセスする場合に重要です。
"public" スキーマは、PostgreSQL における重要な機能であり、データベースの整理、アクセス権の制御、そして互換性の確保に役立ちます。"public" スキーマを理解し、適切に活用することで、データベースの管理と運用を効率化することができます。
補足情報
- "public" スキーマの変更や削除は、データベースの動作に重大な影響を与える可能性があるため、十分な注意が必要です。変更を行う前に、必ずバックアップを取ってください。
Creating a table in the public schema:
CREATE TABLE customers (
customer_id SERIAL PRIMARY KEY,
first_name VARCHAR(50) NOT NULL,
last_name VARCHAR(50) NOT NULL,
email VARCHAR(100) UNIQUE NOT NULL,
phone_number VARCHAR(20)
);
INSERT INTO customers (first_name, last_name, email, phone_number)
VALUES ('John', 'Doe', '[email protected]', '123-456-7890');
SELECT * FROM customers;
UPDATE customers
SET email = '[email protected]'
WHERE customer_id = 1;
DELETE FROM customers
WHERE customer_id = 1;
These examples illustrate the basic operations of creating, reading, updating, and deleting (CRUD) data in a table within the public schema. The public schema serves as a default location for storing database objects, making it a convenient starting point for beginners and experienced developers alike.
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スキーマ名を省略する
PostgreSQL では、デフォルトの検索パスに "public" スキーマが含まれているため、スキーマ名を省略してオブジェクトを参照することができます。これが最も一般的で簡潔な方法です。
-- 省略した場合
SELECT * FROM customers;
-- 明示的に指定した場合
SELECT * FROM public.customers;
検索パスを変更する
検索パスとは、PostgreSQL がオブジェクトを検索する順序を定義したものです。デフォルトの検索パスには "public" スキーマが含まれていますが、必要に応じて他のスキーマを追加したり、順序を変更したりすることができます。
-- 検索パスを表示
SHOW search_path;
-- 検索パスに "my_schema" を追加
ALTER DATABASE my_database SET search_path = 'my_schema, public';
検索パスを変更することで、特定のスキーマを優先的に検索することができます。これは、複数のスキーマに同じ名前のオブジェクトが存在する場合などに役立ちます。
補足
- スキーマ名を省略することは便利ですが、意図せず別のスキーマのオブジェクトを参照してしまう可能性があるため、注意が必要です。
- 検索パスを変更する場合は、データベース全体に影響を与えるため、慎重に行う必要があります。
- 複数のスキーマを使用する場合は、適切な命名規則を設けて、名前空間の衝突を避けることが重要です。
上記以外にも、pgAdmin などのツールを使用してスキーマを操作することもできます。
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